Date Ramen Paintings
2022 年から隔年で1月1日から1年間、毎日1枚ずつ過去に食べて記録として残してきたラーメンを黄金背景テンペラ画で制作し、Instagramに投稿した。それはその日に自分が生きていたという記録でもあり、過去と現在を繋げ、未来にその存在を残していく行為である。
私にとってラーメンという存在は好きな食べ物という概念に終わらない。幼い頃から学生時代にかけて食べるスピードが他人より遅く、お弁当や給食を残さず食べなければならないという教育を受けていた中、他人の目を気にして無理やり口に食べ物を詰め込み、一人残って出された食べ物を食べる行為は毎日繰り返される苦痛の時間でしかなかった。しかしなぜかラーメンだけは人並みの速度で完食することが出来たこともあり、食事という行為を楽しみに変える救いのような存在だった。そんな救世主であり愛して止まない絶対的な存在のラーメンも、食べてしまえば形としての存在が消失してしまう。だから私は過去に食べたラーメンともう一度向き合い、作品という形で永久化することにした。
中世の人々にわかりやすく神の威厳を示し、時を経てもその光を失わない黄金背景テンペラ画を用いてラーメンを描くことで、その対象に宗教性と永遠性が付与される。また、古代エジプトにおいて黄金はラーの体の一部とされており、そこには永久不滅の死生観と深く繋がるものがある。古代エジプト人が死後のためにさまざまなものを用意したり壁画に描いてきたように、私もいつか来る終わりの先までラーメンを残すために、黄金背景テンペラ画で形としてその存在を残していきたい。
2026 / 1月